恐らく雇用調整助成金の給付が増えるにつれ、いつか雇用保険料率が上がるのかなと
漠然と思っておりましたが、概要が出てきましたのでお伝えをしたいと思います。
政府は令和4年2月1日において、令和4年度の雇用保険料を段階的に上げることを柱とする雇用保険法の改正案(雇用保険料の段階的引き上げ)を閣議決定しました。
現在一般事業の場合は、会社と個人合わせての雇用保険料率が0.9%の保険料率となっております。令和4年4月から9月にかけて0.95%、10月からは1.35%に上昇します。
更に掘り下げてみると、労働者の保険料負担は令和4年9月までは現在と同じ0.3%、10月以降は0.5%に上がります。月収20万円の人で計算すると、月額600円から月額1,000円と月400円の負担増となります。
更に更に掘り下げてみると、現在国が運用する雇用保険には、労働者が失業した場合などの失業等給付および育児休業給付を支給する制度と雇用保険二事業(雇用安定事業、能力開発事業)を行う保険制度の二つの保険制度で構成されています。
現在の保険料率は失業給付及び育児休業給付が0.6%で労働者と会社が折半しています。雇用保険二事業が0.3%で会社だけの負担となっています。どちらも保険料収入と、余った保険料の積立金からまかなうのが原則となっております(一部、国庫負担あり)。よって景気が良い時には積立金をどんどんと積み立てていくこととなります。
2019年度末の積立金残高は失業給付及び育児休業給付が約4.5兆円、雇用保険二事業が約1.5兆円でした。雇用保険二事業である「雇用調整助成金」の支出が2020年春~2021年7月の1年半で4兆円を超える支出となりました。よって失業給付及び育児休業給付の積立から1.7兆円を借り、税金からも1.1兆円が投入されました。その後もコロナが終息する目途が立っていない状況を踏まえ、今回の雇用保険料率の引上げに踏み切ったということとなります。
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